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千葉日報に取材いただいた記事が掲載になりました

ブログでの掲載がいくらか遅くなりましたが、『千葉日報』2023年7月14日(金)に「新施設建設後の行方は 専門家「貴重な文化資産」と題して、千葉県立中央図書館について取材いただいた記事が掲載されました。 地方新聞の掲載記事であり、Webニュースも有料記事ということで、(しかもブログに載せるわけにもいかず)広くはご覧いただけないのですが…活動記録として残しておきたく思います。 取材にあたられた記者の方は大変丁寧な対応で、千葉県の担当部署にも取材されて、すぐさま解体方針にあるわけではなく、まずは公共施設としての活用方法を検討する旨の回答が得られたことにふれてくれています。 先行きが保証されたわけではありませんが、検討の余地ありとしてスタンスがうかがえたところは有益な機会であったと思います。

千葉県立中央図書館の保存活用設計提案(千葉工業大学大学院建築学専攻:2023年度 建築設計保存改修特論)/ 課題概要と2023年度の傾向

4年目になりましたが、2023年度も千葉工業大学大学院建築学専攻「建築保存改修設計特論」にて千葉県立中央図書館の保存活用設計提案の課題に取り組んで参りました。 全13週の授業スケジュールを終えて、2023年度の最終成果がまとまりました。 課題概要は過年度と同様で、2019年11月の ワークショップ を通じてまとめられた7つの活用方法を基に過去最多となります履修学生23名を3~4名ずつ下記7チームに分けて千葉県立中央図書館の保存活用設計提案の課題に取り組みました。 Aチーム:アートスペース   (建築の魅力を活かした「アートスペース」としての活用) Bチーム:ライブラリー   (あえて「ライブラリー」として活用) Cチーム:コンバージョン   (機能を挿入した「コンバージョン」としての活用) Dチーム:ワークスペース   (一時的な使用となる「ワークスペース」としての活用) Eチーム:アタッチスペース   (近隣施設の「アタッチスペース」としての活用) Fチーム:レガシー   (千葉文化の森の「レガシー」としての活用(プレグリッドシステムの架構を保存)) Gチーム:レンタルスペース   (一定期間の借用となる「レンタルスペース」としての活用) 例年と同様にまずは全体的な傾向を述べておきたいと思います。 2023年度は全体を通じて、ややレトリックに近いストーリーからコンセプトを固め、これに基づいて保存活用設計提案にアプローチする観念的な傾向があり、これまでの学年と印象を違える点で興味深いものでした。大きな視座から臨むであったり、発想の転換で価値観や見方を変えようとするスタンスは、大学院生として必要な資質だろうと思います。 一方で、2022年度に目立ったエスプラナードとの関係性に着目する傾向はあまり見られず、千葉県立中央図書館の建築を自らの作品性を高めるのに積極的に活かそうとするのも控えめな印象を見受けました。かといって既存建築の継承を徹底するスタンスかというとそうとも言い切れず…総じて既存のコンテクストに与してデザイン・設計に取り組むことが覚束ない、そのように感じられるところでした。 チーム編成においても2023年度は同じ研究室の学生でかたまる傾向が多かったことも気になりました。ただ、近しい間柄だから設計・提案がスムーズに進むかというと必ずしもそうとは限らなく、協働でも

千葉県立中央図書館の保存活用設計提案_2023年度 / Gチーム:レンタルスペース

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千葉工業大学大学院(建築学専攻)「建築保存改修設計特論/2023年度」で取り組んだ千葉県立中央図書館の保存活用設計提案の課題におけるGチーム:レンタルスペースの提案内容です。 課題概要と2023年度の傾向についてご覧になられていない方は、まずは コチラ を参照いただければと思います。 [ 保存活用設計提案の概要 ] レンタルスペースをテーマとしたGチームは、既存の建築を長期に及んで活用し続けられる状態を維持すること、つまりは建築の継承に資する活用方法は広義では全てレンタルスペースになるというロジックを説き、これを基に保存改修設計提案を検討しました。 この方針は言い換えれば、既存の建築に極力手を加えない保存を最重視するものとなり、これに過度に影響を及ぼさないために鉄骨材によるスレンダーなフレーム(ボックス)でプログラムに資する設計手法を採用しました。 また、千葉県立中央図書館のポテンシャルを最大限に活かすことを視座に、建築を学ぶ者・建築に従事する者を主なターゲットとして、これらに資するプログラムでもって活用方法を設定しました。これにより千葉県立中央図書館が使い続けられる状態を生み出し、地域住民からの注目を高めることより波及させて地域の活性化に還元するという内容になりました。 [ 総 評 ] レンタルスペースのテーマは、恒常的利用によるプログラムの設定(さらには建築の形状に反映し難い側面も)の難易度が高いことが挙げられます。これに対して、建築の継承のために組み入れたプログラムはレンタルの理念に読み替えられるという考えを示されたことは、ややレトリックという感はあるものの発想の転換として巧みであり、唸らせるものでした。 千葉県立中央図書館の建築がもつポテンシャルを活かせるターゲットを建築に学ぶ者・従事する者として明確にし、図書館建築が建築計画の側面から有する開放的な閲覧室と閉鎖的な書庫のそれぞれにフィットしたプログラムを設定しており、総じてリアリティのある提案になったことも好ましいものでした。 Gチームの採った方針は、自ずと千葉県立中央図書館の建築に極力手を加えないことを意味するものとなり、歴史的建造物の保存活用に最も忠実なスタンスをもって臨んだ提案となりました。その意味で、本課題の出題意図に最も近く、多くデザインをもって改変を伴ってしまう提案が多い中では親近感を抱くところ

千葉県立中央図書館の保存活用設計提案_2023年度 / Fチーム:レガシー

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千葉工業大学大学院(建築学専攻)「建築保存改修設計特論/2023年度」で取り組んだ千葉県立中央図書館の保存活用設計提案の課題におけるFチーム:レガシーの提案内容です。 課題概要と2023年度の傾向についてご覧になられていない方は、まずは コチラ を参照いただければと思います。 [ 保存活用設計提案の概要 ] レガシーをテーマにしたFチームは、中央部分をプレグリッドシステムの空間をそのまま継承し、西側を地域住民の活動に資するオープンスペース、東側をアート作品の展示場所(アートスペース)として大きく3つの性格をもつ空間を分けて形づくることでレガシーという難しいテーマへの回答を講じました。 Fチームは造形力に優れたメンバーで構成されたこともあって、中央部分を隔て、これを強調するに資するセラミックタイルによる「モザイクスクリーン」のような大壁面、アートスペースに展示空間を兼ねるコの字型をした耐震壁、3つのブロックを貫入してつなぐ光化学フィルムでカラーリングを施したチューブ形をした通路など、各所にコンテンポラリーアートを思わせる造形をもってアプローチし、彼らが「洞窟的」と表したプレグリッドシステムの重厚さに相克する新たな空間性の獲得を試みました。 [ 総 評 ] 機能の挿入に依らずに保存を講じる「変化球」的なテーマがレガシーです。いわゆるモダニズム建築の原理 ― プログラムによって建築を構成する ― をあえて封じるという大きな制約を伴う設計条件は、代々の学生が頭を悩ましてきたように今年度もこれにあたったFチームのメンバーを大いに苦しませるところとなりました。 検討途中では、設計が停滞してしまう様子も見受けましたが、最終的にややパワープレイとも映る手法とスタンス ― レガシーは、外部との関係性からストーリーを別に構築しないとならないため、テーマの性格上パワープレイを採る必要が多分にある ― で、最終的に着地させたことに、やはり力のあるチームであることを実感しましたし、このことは褒められてよいと思いました。 Fチームの提案から、造形のもつ雄弁さを再確認するところではありましたが、プロジェクトの実現性を高めるにはプロセスの透明性とその言語化が必要とも感じました。 実際のプロジェクトではこのほかにも乗り越えないとならない強大な壁 ― 費用とコストパフォーマンス(さらに工期も) ― が

千葉県立中央図書館の保存活用設計提案_2023年度 / Eチーム:アタッチスペース

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千葉工業大学大学院(建築学専攻)「建築保存改修設計特論/2023年度」で取り組んだ千葉県立中央図書館の保存活用設計提案の課題におけるEチーム:アタッチスペースの提案内容です。 課題概要と2023年度の傾向についてご覧になられていない方は、まずは コチラ を参照いただければと思います。 [ 保存活用設計提案の概要 ] 千葉県立中央図書館を何らかの付属施設として活用するアタッチスペースをテーマにしたEチームが選択したのは千葉市立郷土博物館の分館としてでした。 現地調査の折に戦争体験をした地域の方と接し、話をうかがった経験から戦後昭和の展示拡充を方針として、ここに広く地域住民の居場所を併設する提案となりました。これを千葉文化の森のエスプラナードを積極的に建築内部に引き込んで展開する設計手法を採り、また内部から見る風景をガラススクリーンで切り取って見せる方法を併用することで、千葉県立中央図書館と千葉文化の森との親和性をさらに高めことを試みています。 構造デザインの研究室所属の履修学生が3名もかたまってメンバーに与していたこともEチームの特長で、(年々ブラッシュアップされる)新たな耐震補強方法が講じられたことにも注目できるところとなりました。 [ 総 評 ] 現地で地域の方と接して千葉文化の森への愛着に感化されたことが提案の方向性を決定づけるものとなり、結果的に2023年度には少なかった千葉文化の森との関係性を強く意識した提案になりました。 保存改修設計提案にあたって既存建築に設計者自らが愛着をもつことは好ましいスタンスですが、今回はいささか感化され過ぎた印象も受けました。というのは、内外のつながりに意識が及ぶがあまり、肝心の千葉市立郷土博物館分館の機能検討がやや軽んじられてしまったように映り、このことはどうしてもアンバランスな印象を残すところとなってしまいました。 それにも増して驚かされたのは、耐震補強方法です。プレグリッドシステムの格子梁の間を貫く(1層ごとに柱を継ぐ)形で鉄骨柱を建て、これを横架材で繋がずにブレースのみでコアを構築する最小限の部材構成でもって耐震補強を試みられ、これをシミュレーションによって一応の性能を示されました。 通常の耐震補強 ― 壁の増し打ち、ブレースの挿入 ― は、既存躯体に直接的な影響を受けざるを得ませんが、この提案であれば上下は積層して貫か

千葉県立中央図書館の保存活用設計提案_2023年度 / Dチーム:ワークスペース

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千葉工業大学大学院(建築学専攻)「建築保存改修設計特論/2023年度」で取り組んだ千葉県立中央図書館の保存活用設計提案の課題におけるDチーム:ワークスペースの提案内容です。 課題概要と2023年度の傾向についてご覧になられていない方は、まずは コチラ を参照いただければと思います。 [ 保存活用設計提案の概要 ] ワークスペースをテーマとしたDチームがターゲットにしたのは、アドレスホッパーやノマドワーカー。いかにも現代らしいニーズの設定でしたが、多様とはいえ対象は個人であり、長時間・固定化して使用されない用途で施設規模を充足し得ないことから、これと併せて地域還元の方策として児童保育施設やカフェなどを併設し、さらに床パネルを除いて使用制限を図る「減築」によって全体の提案をまとめました。 [ 総 評 ] 本課題(千葉県立中央図書館の保存活用設計提案)の難しさの1つに5000㎡を超える大規模施設を充足するだけのプログラムの設定が容易ではないことが挙げられます。Dチームの提案もこの課題の解消に多く苦心しました。 大局的な視座から社会的課題に建築を通じてアプローチすることは好ましく映りますが、一方で建築はその土地に建つ不動産ですので、その地域におけるニーズにどう応えるかという視点も不可欠であろうと思います。この視点に立った時に、率直に述べてDチームの提案はいくらかアンバランスであるように映るものでした。 上述した提案の概要ではふれませんでしたが、材料分野の研究室所属の履修学生がいたことは、多く意匠系の学生が受講する本科目では特殊なチーム構成となり、耐震補強(「CFD化」と呼んだ鋼板による十字柱補強)のほかマテリアルと施工面からのアプローチでも提案が行われたことに特異性がよく表れており、好ましく見えました。…が、プログラムに相乗してこれに資するまでには及べていないところであり、最終的に分業のようになってしまったことは残念ではありました。 Dチームの取り組みを通じて、活用方法を新たに設定する上で大規模施設でこれを検討することの難しさを改めて考えさせられるところでした。現代の建築では、竣工をもって終わりとなることが一般的ですが、2期、3期と段階的に展開して一度に全てを使い切るような計画にしない ― 時間のデザインといえるでしょうか ― ことにこれを検討する上でのヒントがありそうだな

千葉県立中央図書館の保存活用設計提案_2023年度 / Cチーム:コンバージョン

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千葉工業大学大学院(建築学専攻)「建築保存改修設計特論/2023年度」で取り組んだ千葉県立中央図書館の保存活用設計提案の課題におけるCチーム:コンバージョンの提案内容です。 課題概要と2023年度の傾向についてご覧になられていない方は、まずは コチラ を参照いただければと思います。 [ 保存活用設計提案の概要 ] コンバージョンをテーマにしたCチームは、東京への通過点的性格からインバウンド消費額・宿泊日数が少ない千葉県の現状改善のために外国の方に向けた宿泊施設を併設した観光拠点(サイクルツーリズム基地)として、これを住民との交流に関連づけることで地域還元も視野に入れた提案を行いました。 [ 総 評 ] 千葉県立中央図書館は図書館機能を新施設に移す前提があるため、広義では他テーマも全てコンバージョンと言い得ます。その中でコンバージョンをテーマにする難しさは、ひとえに設定をいかにするか、です。 これをインバウンド受容という千葉県が抱えている問題に立脚することで提案としての説得力をもたせるものとしています。このことは確かに効果的であるように映りました。 それをサイクルツーリズムと日本食体験と設定しましたが、ニーズのマーケティングが十分とは言えなかったために、かつ外国の方がいない環境下での授業でエスキスを重ね、最終発表に及んだために手応えが得られないままに…となった感があり、その点では戦略的によいチョイスであったとは言い切れないようにも思われるところでした。 このことは宿泊施設という点でも垣間見られ、千葉県立中央図書館の建築的特徴を活かして空間を提案できているかというと…いくらか機能をセッティングしたに留まるレベルであったように映るところでした。 既存の建築のマテリアルが醸し出す空気感を扱うことは難しい…このあたりは指導側の力量不足ですね。反省です。

千葉県立中央図書館の保存活用設計提案_2023年度 / Bチーム:ライブラリー

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千葉工業大学大学院(建築学専攻)「建築保存改修設計特論/2023年度」で取り組んだ千葉県立中央図書館の保存活用設計提案の課題におけるBチーム:ライブラリーの提案内容です。 課題概要と2023年度の傾向についてご覧になられていない方は、まずは コチラ を参照いただければと思います。 [ 保存活用設計提案の概要 ] 千葉県立中央図書館の建築が有する「パワー」が地域住民との心的距離感の背景にあるという捉え方を基に、新聞閲覧コーナーなどの市民の日常生活に近い機能はそのまま残し、さらに図書館の記憶を継承する本棚(図書)のシェア(個人・団体)、そして工房と農園という個人レベルのアクティビティの集積と共にこれらをグラデーションをイメージして緩やかにつなぐことをもって各種プログラムを配置する提案としました。 [ 総 評 ] 印象的であったのは、千葉県立中央図書館のもつフィジカルならびにメンタリティに圧迫される感を抱くという言葉でした。 誤解を恐れず言い換えれば、一種のハラスメントに近いネガティブな感覚をもたれたということです。 千葉県立中央図書館をはじめとした高度経済成長期に建てられた建築の数々に今の時代には成し得難いエネルギッシュさを感じ、これを漠然と「美しい時代」と捉えてきていたので…保存の是非に根差した本質を突かれたように思われて(自省の意味も含めて)非常に印象的なチームでした。 その「パワー」を中和するために、そして市民の愛着を構築するために個人レベルでの行為を集積するというアプローチも明快で(ライブラリーは図書館でなくなる前提条件が関係してプログラムの設定が難しいテーマのため)、千葉県立中央図書館の建築(行為を集積する器)と適度な距離感をもつことが過度に手を加えない形となり、やや後ろ向きでありつつも結果的に保存と親和性をもつところに帰結するという、なかなかに言語化し難い絶妙なバランスの上に成り立つ保存改修設計の提案になったことも大変に興味深いところでした。 こういうスタンスで臨むとハードとソフトが別々となり、時に当該の既存建築にプログラムを据えることの意味が読み取れない提案になってしまう危うさもあったりするのですが、これが乖離しなかったことは千葉県立中央図書館の建築から個人の行為を集積する形態を導いて、造形上の関係性を基に形に落とし込んだことが成功の要因だったのでしょう。

千葉県立中央図書館の保存活用設計提案_2023年度 / Aチーム:アートスペース

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千葉工業大学大学院(建築学専攻)「建築保存改修設計特論/2023年度」で取り組んだ千葉県立中央図書館の保存活用設計提案の課題におけるAチーム:アートスペースの提案内容です。 課題概要と2023年度の傾向についてご覧になられていない方は、まずは コチラ を参照いただければと思います。 [ 保存活用設計提案の概要 ] アートスペースをテーマにしたAチーム(ArtだからAチームというワケではなく、たまたまです)は、大髙正人の思想と建築をアートと捉え、プレグリッドシステムの架構を千葉県文化会館のエントランスとなるゲート(エスプラナードの新設)として計画しました。 加えて、書庫には各所に窓を配して、これによって切り取られた風景を大髙正人の思想・建築を伝えるアートとして見せ、周辺の広場にアートパフォーマンス等を行えるよう設定することで「千葉文化の森」全体との親和性を図る提案になりました。 [ 総 評 ] アートスペースを安直に捉えれば「美術館」と解釈でき、そのコンバージョンというのが1つのわかりやすい解答になろうかと思いますが、安易にアートを入れる器にしない方針を選ばれ、レベルの高い設計提案を試みようとする姿勢はよく伝わりました。 ただ、千葉県立中央図書館をリスペクトすることで新たに付加することのない、いわば「マイナスのデザイン」の選択が連続した提案となっており、かといって全面的に保存するというスタンスとしていないことと相まって、どことなく消極的な印象を抱かせる面が感じられました。プレグリッドシステムの架構をゲートにするところに帰結したのは、レガシーのテーマと通底する形態の表れ方であり、その点は興味深く映りました(実際に2021年度のレガシーのテーマでは同様の方策を採っていました) 大髙正人の建築(千葉県立中央図書館・千葉県文化会館)= アート という図式が決まったまではよいものの、その建築に対して終始全体のまま、部分へと焦点をあてずに深入りできぬままに向き合い続けてしまったことが提案の解像度の粗さの根底にあるように感じられるところでした。 表層的・表面的な操作に留まったことは、かえってレトリックを思わせるような軽薄さとも映りかねない危うさもあり…既存建築といかに向き合い、そこから何を感受するかがクオリティを左右する保存改修設計の難しさが伝わってくるところで、苦労したんだろうな