千葉県立中央図書館の保存活用設計提案_2024年度 / アタッチスペース

千葉工業大学大学院(建築学専攻)「建築保存改修設計特論/2024年度」で取り組んだ千葉県立中央図書館の保存活用設計提案の課題におけるアタッチスペースの提案内容です。

課題概要と2024年度の傾向についてご覧になられていない方は、まずはコチラを参照いただければと思います。


[ 保存活用設計提案の概要 ]

近隣に所在する千葉大学付属病院のリハビリ施設の拡充を提案したものです。構造を専門とするメンバーが2人いるチーム構成ということもあり、新たに加える耐震壁に矩折にしたワイヤーを挿入して、これで床スラブを吊り上げて荷重を緩和するという特殊な吊り構造による耐震改修を提案しました。従来に吊り構造では、吊り材が視覚的に露出してしまうので、保存継承に相応しいようにこれを隠す斬新な耐震補強案を試みました。


[ 総 評 ]

当初は「千葉文化の森」全体をリハビリ施設として扱い、千葉大学付属病院のアタッチスペースとして、その関係性を明瞭なものになるよう計画していましたが、建築計画としてリハビリ施設を成立させることに苦心され、結果的には挑戦的な提案が小規模化する形になりました。そのためアタッチスペースとしての提案もいくらか魅力が薄れてしまったことは否めないように映る提案となりました(もっともリハビリ施設の建築計画は難易度の高い設計ではあるので、ハードルが高かったとみることもできるかもしれません)

斬新な吊り構造を内包する耐震壁の提案は、現実的には難しいという結果にこそなりましたが、挑戦そのものは評価されるべきものと思いますし、何よりアイディアは興味深く映るものでした。構造解析をして、既存建築の強度を示したことも有用な成果であったと考えます。

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