千葉県立中央図書館の保存活用設計提案_2022年度 / Bチーム:アタッチスペース

千葉工業大学大学院(建築学専攻)「建築保存改修設計特論/2022年度」で取り組んだ千葉県立中央図書館の保存活用設計提案の課題におけるBチーム:アタッチスペースの提案内容です。

課題概要と2022年度の傾向についてご覧になられていない方は、まずはコチラを参照いただければと思います。



[ 保存活用設計提案の概要 ]

Bチームのテーマはアタッチスペースで、千葉市内各地で運営するフリースクール・子ども食堂・子どもルーム・プレーパークを1つにまとめて新たな拠点とするという提案です。

2022年度は全体的に千葉県立中央図書館(特にプレグリッド・システム)の造形的可能性の追求、エスプラナードの拡大・拡幅という傾向がみられた中では比較的珍しい千葉県立中央図書館の既存建築を純度高く継承していこうというスタンスで、改変に伴う既存部分の改修も最低限にとどめています。これはフリースクールと歴史的建造物のネガティブなイメージを一緒にすることで共に刷新したい!という意向に基づいたということでした。


[ 総 評 ]

アタッチスペースのテーマが他機関ないし他施設との関係性に基づかなければならない性格があることにもよりますが、丁寧なリサーチに基づいてプログラムを決定し、施設内のレイアウトを決めていった社会的な眼差しを終始大切にし続けた着実な提案でした。

既存の建築を継承するために躯体にはほとんど手を入れていませんが、内部空間を変えるために重厚なコンクリートに対して軽量素材を適用している点は、選択として理解は出来ましたが、フリースクールの運営上はどうか?という点は疑問がないとは言えません。それは、そもそもフリースクールというものに十分に理解が及んでいない指導側の責任なのですが‥‥こちらも色々と学びになる機会でした。

プレグリッド・システムのパネルを取り外して、ここにネットを備えるというのは適用のし易さといい、用いた場合の空間の魅力向上に資することも容易に想像がつくところでよい手法を見つけられたなと思います。千葉県立中央図書館は狭く暗いというような印象を持たれることも多いみたいですが、天高の低さは子どもが使用する分にはかえってフィットするような場合もあるかもしれませんね‥‥新たな気づきをもらえました!

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