千葉県立中央図書館の保存活用設計提案 / Bチーム:レンタルスペース

千葉工業大学大学院(建築学専攻)「建築保存改修設計特論」で取り組んだ千葉県立中央図書館の保存活用設計提案の課題におけるBチーム:レンタルペースの提案内容です。

なお、課題概要と経過説明についてご覧になられていない方は、まずはコチラを参照いただければと思います。



[ 保存活用設計提案の概要 ]

Bチームはレンタルスペースによる保存活用をテーマとして、YouTuberをはじめとする個人の発信力が高まっている現代の時代に合わせ、特にアクティブな若者をメインターゲットとして手軽に使用できるイベントスペースとして活用するというアイディアになりました。

長く親しまれてきたファサードを継承し、かつ内部空間の暗さを解消するためにプレグリッド・システムによる架構を活かして強化アクリルによる「透明なコア」を挿入して内部環境の改善・向上を図るという建築的な操作を重視した提案です。


[ ゲストの講評(要点)]

・現状の「良い点」と「悪い点(改善すべき点)」が示されていることで提案が明快

・「透明なコア」で新たな魅力を加えようとする試みは評価できるが、ここがどのような建築空間へと変わり、どのような活動が生まれるかが想像し難い

・全てを「透明なコア」とするではなく、設備シャフトや構造シャフトにも使えばリアリティが増したのではないか

・「透明なコア」は構造補強になるというが効果的かは疑わしい。このほか耐震補強の検討が乏しいように見える

・歴史性や地域性も考慮したレンタルスペースであった方がよかった


「レンタルスペース」という用途を突き詰めようとすると難しいかったと見えて、その広範さに苦労して突き詰められないままに最終提案に及んだという面が少なからずあったように思います。そのあたりはグループ設計特有の難しさもあったようですが…

使用方法は曖昧に「レンタルスペース」のまま据え置いて、ある意味割り切って千葉県立中央図書館の機能改善に振り切って「透明なコア」を挿入するという明快なメソッドで解決を図ろうとした提案はプレゼンテーションにおいては意図が明快に伝わりやすいものでした。特に外部講評会のような初見の方への見せ方・まとめ方では効率的に取り組んでいるように見えたのは印象的です。

レンタルスペースを具体化出来なかったということは保存活用の提案としてはバランスを欠いているのも事実なので、今後さらに検討していく余地がありそうかな(次年度にも取り組む課題として?)…と思うトコロはありますね。


さて、みなさんにはBチーム:レンタルスペースの保存活用設計提案はどのように映るものとなったでしょうか?ぜひコメントをお寄せ願えればありがたいです。

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